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アイスランド議会前で笑みを浮かべる社会民主同盟のクリストルン・フロスタドッティル党首=2024年5月30日、レイキャビク、藤原学思撮影

 北欧の島国、アイスランドで11月30日、議会選(定数63、任期4年)が実施された。国営放送RUVによると、中道左派の野党・社会民主同盟が15議席を獲得して第1党になった。政権交代となる見通しで、同党のクリストルン・フロスタドッティル党首(36)が次期首相の最有力候補となった。

  • 最もジェンダー平等に近い国 アイスランド、半世紀の軌跡

 投票率は80.2%。アイスランドは世界で最もジェンダー平等に近い国とされる。大統領は8月から女性のトーマスドッティル氏(56)が務めており、首相も女性になれば同国史上初めて、大統領と首相に同時に女性が就くことになる。

 一方、女性議員は63人のうち、現状の30人から1人減って29人(46%)となる見込み。初めてとなる5割超えはならなかった。

 RUVによると、解散前に連立政権を組んでいた独立党などの3党は、前回選挙から計18減の計19議席。物価高による生活費危機や住宅価格の高騰が深刻になるなか、厳しい審判が下った。

 今後は社会民主同盟が中心となり、獲得議席数で3、4位となった改革党(11議席)と国民党(10議席)との連立を模索するとみられる。なお、両党の党首も女性で、その点でも女性首相誕生の可能性は高い。

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